シュークリームの「シュー」はフランス語でキャベツを意味しています。キャベツの亀裂が入ったように見えることから名づけられました。あの独特な亀裂のシュー生地はどうやって膨らむのでしょうか。生地作りのポイントを理解していきましょう。
シュー生地が膨らむ仕組み
シュー生地を作るための材料はバター・卵・小麦粉・水と難しい材料はありません。ではこの材料だけでどうやって膨らむのでしょうか。
シュー生地を作る際の加熱は2段階
1回目の加熱
1つ目の加熱はバターと水を沸騰するまで加熱です。水を加熱するだけだと100度までしか上がりませんが、油脂類を加えることで加熱温度は最高120度まであげることができます。火から降ろした時の温度が100度以上あると、次の工程で小麦粉を加える際に小麦粉のでんぷんが素早く糊化して粘り気を作ってくれます。
2回目の加熱
2回目の加熱はシュー生地を高温のオーブンで焼く時です。焼いている間にまず生地の表面がある程度固まり、薄皮ができます。それと同時に薄皮の中の生地も焼けてきますが、その際に生地の中の水分が動き出します。水分が動くことで最初に出来た薄皮が伸びていき、それを破ろうとする水蒸気が膨らんでシュー生地特有の空洞が出来上がります。そして、最後に香ばしい焼き色がつきます。
卵の役割
糊化した生地に卵を加えることで生地の膨らむ力は強くなります。また、2回目の加熱で卵が焼けて固まることでシュー生地は空洞を保つことができるようになります。
失敗する原因
加熱不足による失敗
一番最初に沸騰するまで加熱をしないと小麦粉が糊化するまえに生地の温度が冷めてしまいます。そうすることで粉は水分を含まない状態を作ってしまい、膨らんでも中に空洞が出来ていなかったり、膨らみが中途半端になってしまいます。
また、焼く時はオーブンをしっかりと予熱してから焼きましょう。予熱不足だと時間が経つにつれて薄皮は出来にくくなり、膨らむことが難しくなってしまいます。
焼きあがった後しぼんでしまう
水分を飛ばすのが不十分だとオーブンから出した時にしぼんでしまう原因にもなります。また、焼きあがっていない段階でオーブンを開けてしまうと急激に温度が下がり、生地が沈んでしまいます。焼いている最中などは生地が安定するまでオーブンは開けないようにしましょう。
焦げてしまった
焼いている間に焦げてしまった場合は焼いている温度が高い可能性があります。水分をしっかり抜くことが大切ですが、温度を高くすればいいわけではありません。オーブンにもよりますが、170度から180度の温度で焼くことがおススメです。
生地が余ってしまったとき
1~2時間以内に次のを焼くのであれば常温で保存しておいて大丈夫です。生地の表面が乾いてしまったときは霧吹きをしてから焼いてください。
冷凍保存も可能
大量に余ってしまっている時は冷凍保存も可能です。生地を絞った状態で冷凍して保存します。焼く前に常温で解凍して表面に霧吹きをしてから通常通りに焼きます。保存した生地は冷凍庫で約1か月は保存することができます。
レシピご紹介
最後に…
シュー生地の仕組み理解していただけましたでしょうか?1つ1つの工程を理解すればしっかりと膨らんだ生地を焼くことができます。難しく思われがちなシュー生地ですが、チャレンジして美味しいお菓子を作ってみてください。
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